新世紀のキャンパス 学校法人静岡理工科大学グループ 静岡駅前キャンパス/静岡デザイン専門学校
静岡駅前に学校法人のランドマークがオープン
学校法人静岡理工科大学は静岡県内に大学1校、中学2校、高校2校、専門学校5校、日本語学校2校の計12校、多様な学校種を有する学校法人である。そのランドマークとして、2024年4月JR静岡駅から徒歩3分、駅からの地下道と直結する新築ビル「M20」内に新たな拠点を構え、法人本部や大学情報学部サテライト研究室、地域協働センターを設置。加えて、静岡デザイン専門学校を完全移転した。駅前再開発計画による当ビルは、地下1階、地上15階建て。その中、4階〜13階が本法人フロア、その他は商業フロアやオフィスフロアで構成される複合型ビルである。
キャンパス内は「街」のような空間
5階〜10階に移転した静岡デザイン専門学校は、1927年に洋裁学校として創立し、2027年には100年目を迎える静岡県最大級のデザイン系総合学校。設置学科は、デザイン・ファッション・ビューティー・フラワー系既存7学科に加え、移転を機に、美容師国家資格に対応した「美容科」「ヘアメイク科」と、今後ますます需要の広がる「CGデザイン科」の3学科を新設した。
設計コンセプトは「ストリート」。廊下を道路に、各教室をアパレルストアや美容院、フラワーショップ等の店舗に見立て設計・デザインされている。設備も可能な限り、実際の店舗やオフィスに近いしつらえとし、より実践的な授業を展開している。
また、200名収容のホールでは、講演会やプレゼンテーションのほか、ファッションショーの開催も可能。撮影スタジオでは、写真ブースのほか、最新鋭のバーチャルプロダクションの導入も決定している。学生の憩いのスペースは、各フロアにあるパーク(公園)。建築・インテリアを学ぶ学生フロアはデザイナーズチェアを揃える等、フロアごと学科の個性を出している。地下には駐輪場を完備。館内セキュリティーは、学生証及び静脈認証での解錠を用いている。1階のエントランス横にはギャラリーも設置し、街行く方々に向け学生作品の展示会も開催できる。
学生の通学エリアは静岡県内広域に及ぶが、駅前への移転により利便性がさらにアップした。在学生からの評判も良く、入学志願者も増加している。旧校舎では部屋が分かれていた教員・事務職員・募集担当・キャリア支援担当が1フロアでフリーアドレスとなり、教職員間のコミュニケーションも図りやすくなった。
複合型キャンパスの強みを活かして
これまで本法人では、1校ごとが独立して校舎を運営していたが、今回の静岡デザイン専門学校のように、同ビル内に、静岡理工科大学情報学部サテライト研究室や、地域や企業との連携・社会人教育の窓口となる地域協働センター等があることで、様々な人々が往来する空間となった。それによって、相互に施設設備を共有したり、事業を連携したりすることが容易となり、学校法人の擁する人材と教育コンテンツを、地域社会のニーズにマッチングしやすくなった。特にDXとデザインに関するコラボレーションと施設利用のお問い合わせが増えている。地域企業や商業者、行政からの本法人への期待も大きく、見学者が訪れることも多い。既に、経営者や専門業界向け・キッズ向けの講座や講演会も始まっている。
また、学生・教職員・非常勤講師を含めると約1000人が同ビルに通うようになり、駅前の賑わい創出にも貢献している。ビルの敷地内に地下から地上への連絡通路(エスカレーター・階段)があり、秋には商業施設もオープンするため、今後ますます人の流れが増えていくであろう。
これからも教育を軸に、駅前の立地を活かし、人が交流し街を元気にしていく活動が広がっていくよう、産官学連携による地域貢献を推し進めていきたい。
(文/ 学校法人静岡理工科大学 法人本部広報部部長 久保田香里)
【左】JR静岡駅北口に完成した複合型ビル。駅から徒歩3分、地下道でつながり、新しい人流が生まれている。
【右上】キャンパス南側には直下に静岡駅、東側からは富士山が望める。
【右下】地域協働センター内アクティブラーニングルーム。
【左上】大学サテライトフロアは、各室から袋井のメインキャンパスと大画面越しにつながっている。
【右上】大学情報学部4研究室の学生が集うコモンラボ。
【左下】地域協働センター内セミナールーム。
【右下】各室「ラボ」「スタジオ」「ストア」など、機能ごとの名称。
【左上】【右上】各室「ラボ」「スタジオ」「ストア」など、機能ごとの名称。
【左下】ホール横の「パーク」は公園のイメージ。
【右下】200人収容のホールは3分割が可能。
【左上】全フロア、パーテーションは基本ガラス張り。
【右上】【左下】【右下】アクセントになるフロアカラーは土ベースのソイルペイント仕上げ。
【左上】製図の基礎を学ぶスタジオ。角部屋は特に明るく開放的。
【右上】撮影スタジオには写真ブースの他、バーチャルプロダクションの設備を導入予定。
【左下】黄色を基調にしたMacスタジオ。
【右下】ヘアサロンにつながる受付カウンター。
【左上】技術力とサービス力を磨くヘアサロン。
【右上】フルフラットのシャンプー台、教員の手元が見えるモニター付き。
【左下】服飾造形を基礎から学ぶファッションスタジオ。
【右下】接客販売やディスプレイを学ぶアパレルストア。
【左上】木工用工具などが並ぶ工作スタジオ。
【右上】開放的な空間はアンティーク、互いの学びへの理解を促進する場でもある。
【左下】窓の外には商店街を見渡せ、街との一体感が感じられる。
【右下】地下駐輪場。学生用とビル来訪者用が併設されている。