22年卒 高校生の進路選択行動の実態~進学センサス2022より~

リクルートでは、高校生達が、いつ、どのような観点で進路を決めているのかを知る調査として、1990年代から『リクルート進学センサス』を実施している。本稿では、今年3月の卒業直後に自身の行動を振り返ってもらった結果を報告する。

 

 2022年の調査対象となった学年は、2年生になる直前に新型コロナウイルス感染症による一斉臨時休校期間が始まり、卒業までの2年間、その渦中で過ごすことを余儀なくされた。対面での活動が制限される中、ICT活用が急速に進み、行動様式が大きく変容。高校の進路指導も様々な試行錯誤のもと、生徒の進路実現に向けて取り組まれていた2年であった。

 そんな高校時代を過ごした彼・彼女らの進路選択プロセスはどのようなものであったのだろうか。

リクルート進学センサス2022 調査概要
■調査目的
高校生の進路選択プロセス(行動・意識)を中心に、進路選択に関しての情報源、学校主催イベント、進路指導の内容と影響等を把握し、高校生の進路選択の現状を明らかにする
■調査期間
2022年3月4日~4月5日 投函・インターネット回答締め切り
■調査方法
郵送調査+インターネット調査
※調査票を郵送、回答を記入の上郵送または記載のURLからインターネット回答
■調査対象
調査開始時点で2022 年に高校を卒業見込みの全国の男女210000人
※令和3年度学校基本調査の「全日制・本科3 年生生徒数(県別)」、「中等教育学校・後期課程3 年生(県別)」を基に、リクルートが保有するリストより調査対象とする数を抽出
■有効回答数
14968人(回答率7.1%)うち、本報告では大学進学者10841人が対象

(1)コロナ禍での22年卒の進路選択行動の変化
コロナの影響により、情報取得方法に変化

オープンキャンパス参加率は14pt減、資料請求数は1.32校増え約7校

 まず2022年4月大学進学者の進路選択行動のうち、資料請求やオープンキャンパス(以下OC)等の情報取得行動や出願数の変化を経年で比較し、コロナ禍の影響をみていく。

 図表1では「興味を持った学校数」「資料請求をした学校数」「出願した学校数・のべ件数」を比較した。興味関心校数は2019年5.78校→ 2022年5.69校で微減。資料請求校数は2019年から1.32校増加し6.97校。一方で出願校数は0.32校減の2.72校、のべ出願件数も減り3.8件であった。

 学校主催のOCへの参加状況をみたものが図表2である。コロナ前の高校1年での参加率は42%と2019年の47%から▲5ポイント(以下pt)だが、高校2年では29%と2019年の72%から▲ 40pt 以上の大幅減。高校3年では、2年時の不足を取り戻すべく62%が参加したが、高校3年間のトータルで見ると、2019年の

 94%から14pt低下し、参加率は80%にとどまった。のべ参加校数は、2019年以前は「5校以上」の参加が最も多く3割を占め、多くの大学を訪問し各校の魅力を肌で感じ比較しながら進路決定ができていた。しかし2022年では「1校」が28%、「2校」が26%、平均で約1校減少し2.92校となっている。

 コロナ禍のもと資料請求数は増えたものの、OCでの直接の情報収集が十分にできなかった様子がうかがえる結果となった。


図表1 興味関心校数・資料請求校数・出願校数・出願件数(大学進学者全体/実数回答)


図表2 学校主催のオープンキャンパス参加経験(大学進学者全体)



(2)入学者選抜の状況における変化
第1志望校に進学する高校生が増加。『志望校絞り込み』が早期化へ

進学先OCの参加経験、参加時の第1志望率が進学校・多様校ともに上昇

 ここでは「4月から実際に自分が進学する学校」の進路選択行動についてみていく。

 コロナの影響を受けて、多くのOCに参加して比較検討することが叶わなかった高校生だが、実際に進学する学校のOC参加率は2019年比で4pt上昇し71%であった。この増加傾向は、生徒が在籍していた高校の大学・短大への進学率別に比較しても違いがなく、大短進学率「70%以上・計」の進学校は2019年比+3ptで67%、「70%未満・計」の多様校は+4ptの81%となっている。

 進学する学校のOC参加時の志望度合いをみると(図表4)、「第1志望だった」割合は60%と前回調査から7pt上昇。2016年46%、2019年53%と毎回7ptずつ増加している。この結果も在籍校の大短進学率の高低に拘わらず同じ傾向であり、「70%以上・計」、「70%未満・計」ともに2016年比で+12~13ptといずれも大きく増えている。

 OCへの参加機会が制限されるなか、パンフレットやWEB等で情報収集して志望校を絞り、第1志望校のOCには参加するという選択プロセスであったと考えられる。


図表3 4月から進学する大学のオープンキャンパス参加経験


図表4 4月から進学する大学のオープンキャンパス参加時の入学意向(進学先オープンキャンパス参加者/単一回答)


年内入試(総合型・学校推薦型)での進学者が大幅増、5割に迫る

 進学する大学に合格した入試方法は(図表5)、「一般選抜」が41%で最も多く、次いで「学校推薦型選抜」の34%。2019年比では「一般選抜」が8pt低下した一方、「総合型選抜」「学校推薦型選抜」がともに4pt 上昇した。

 その結果、「年内入試」「年明け入試」に分類し比較すると、2016年→2019年はその比率に大きな変化がなかったが、2019年→2022年では「年内入試」合格での進学者が8pt増え47%となり、「年明け入試」層とほぼ同率となった。


図表5 進学する学校に合格した入試方法(大学進学者全体/単一回答)


第1志望校への進学者は68%。前回から+15ptの大幅増

 進学した学校の志望順位をたずねたところ(図表6)、「第1志望だった」という割合は68%にのぼり、2019年比で+15ptと大幅に増加。第1志望率は大短進学率の高低に拘わらず上昇し、「70%以上・計」で2019年比+13ptの65%、「70%未満・計」は+17ptの78%となっている。データは割愛するが、入試方法別では「総合型・学校推薦型選抜・計」の第1志望率が87%と非常に高く、前述(図表5)の合格した入試方法で「総合型選抜」「学校推薦型選抜」がともに増えていることも要因のひとつと考えられる。


図表6 進学する大学の志望順位(大学進学者/単一回答)


情報収集は年々早期化。4割以上が高校1年以前に「学校を調べ始める」

 ここでは進路選択行動について「いつ」「どのような行動」をとったか、大学進学者の各プロセス行動時期を2013年調査から経年で比較した(図表7)。

 【どんな学校があるか調べ始めた時期】は「高校入学以前」と「高校1年」が増え続け、高校1年以前の合計は43%であった。2013 年の33%から+10ptと約10年で大幅に増えている。

 【興味を持った学校の資料請求をした時期】も「高校1年」時を挙げる割合が毎回増えており、2022年は25%と2013年比で+7ptとなっている。

 【初めて大学・短大・専門学校を見に行った時期】は、2022年調査は高校2年と3年はコロナ禍の影響を受け、2019年比で高校2年は大幅減、高校3年が増えている。コロナの影響がない「高校入学以前」が微増し続け、「高校1年」と合わせた高校1年以前の合計が2022年には40%となり、2013年(30%)から+10ptと大幅に上昇している。

 調べる・資料請求する・学校を見に行く等の情報収集行動が早期化していることが分かる。


図表7 進路選択行動時期の経年比較(大学進学者/各行動単一回答)


受験校決定時期は高3前半に早期化。進路検討期間は長期化の様相

 一方、【第1志望の学校を受験校に決めた時期】は大多数の高校生が3年時に受験校を決定しており、高校3年生・計は67%と経年でみても大きな変化はない。ただし月別の内訳をみると「高校3年4~9月」が2019年の45%から4pt増えて49%となっている。志望校の絞り込みの時期が高校3年生の中で早期化している。

 図表8は高校2年生が「受験を検討している入試方式」である。別調査ではあるが参考にみていただきたい(コロナ禍における進路選択行動影響調査)。検討している入試方式は「年内入試・計」の割合が2022年3月調査で46%。その内訳は「年内+年明け両方検討」の割合が徐々に増加し28%を占める。

 情報収集等の進路検討行動の開始時期が早まり、志望校の絞り込み時期も3年生の前半に早期化する傾向があることに加え、年内入試と年明け入試の併願を検討する高校生が増える兆しがあり、進路検討期間は長期化する様相となっている。


図表8 受験を検討している入試方式(調査時 高校2年生・大学進学検討層対象)





 最後に今回の調査結果を整理する。

①受験校絞り込みの早期化

 年内入試入学率が増え、受験時期が早まっているため、全体的に進路選択行動は早期化。なお、コロナ禍の影響でOC参加経験率は低下し情報収集は十分にできなかったものの、資料請求数が増えて補完している。

 一方、実際に入学した大学のOC参加率は増え、参加時の第1志望割合も増加。志望度が高い状態での参加となっており、早期に志望校を絞り込む動きが高まっている。

②第1志望校への進学率の上昇

 早期に受験校を絞り込み、かつ年内入試入学者が増えて出願校数は減、複数校受験する高校生が減っている。総合型選抜や学校推薦型選抜での合格者が増え、第1志望割合を押し上げる要因となっている。

 今回の調査からは第1志望校を早期に決め、合格を叶えるために多様な入試の選択肢をチャンスととらえ年内入試に挑戦、結果として第1志望に進学する高校生が増えていることがうかがえる結果となった。


進学センサス2019→2022 進路選択行動の変化 まとめ


【印刷用記事】
22年卒 高校生の進路選択行動の実態~進学センサス2022より~