学校選択重視項目ランキング

男女、文理で進学先を選択する際の重視項目は異なる
キャンパスの価値や教育方針、カリキュラムを重視するように


重視項目の変遷(全体関東・東海・関西)


 全体、男女、文理という順番で、進学する際に重視する項目の違いを見てみよう。全体を見てみると、上位3項目「学びたい学部・学科がある」「就職に有利である」「校風や雰囲気が良い」に変化はない。この3項目は、高校生が進学先を選ぶ際に、重視するいわゆる“鉄板”項目である。「自宅から通える」「資格取得に有利である」の順位が上がった一方で、「交通の便が良い」「学生生活が楽しめる」が順位を下げている。特にコロナ禍において通学以外であまり出かけることがなく、学生生活を楽しむという感覚が薄くなっているのではないか。10位以内に、新たに「キャンパスがきれいである」「教育方針・カリキュラムが魅力的である」が入ってきている。オンラインが進む今だからこそ、改めて人が集まるキャンパスという場所の価値や教育方針・カリキュラムに注目が集まっているように思える。

 男女別を見ると、トップ項目は「学びたい学部・学科がある」で共通だが、2位は男子が「就職に有利」、女子は「校風や雰囲気」で、2009年から変化していない。男女の差異に注目して重視項目をまとめると、男子は「自宅から通える、就職に有利な、有名な大学で、将来の選択肢を増やしたい」となる。男子は、1位の「学びたい学部・学科がある」が、以前から女子と比べて約10ポイント低いのが特徴で、男子のほうが大学名で選んでいる可能性は高いと考えられる。女子は「自宅から通える、教育方針・カリキュラムが魅力的な大学で、資格取得したい」となる。

 文理別を見ると、1位から5位まではほぼ変わらない。違いを一言で言うと、文系が「きれいなキャンパスで、教育方針・カリキュラムが魅力的な大学で、学生生活を楽しみながら、将来の選択肢を増やしたい」。理系は「学習設備や環境が整った、勉強するのに良い環境の大学で、学費を抑えつつ、資格取得したい」ということになるだろう。


重視項目の変遷(男女)


重視項目の変遷(文理)


学びの質や内容、自分に合った入試方法を重視する高校生が増加

 進学先を検討する際に重視する項目を、過去14年のスコア変動で見てみると、時代に拘わらず重視する項目と、時代変化によって重視しつつある項目があることが分かった。時代に拘わらず重視する項目は、「学びたい学部・学科がある」「校風や雰囲気が良い」「自分の興味や可能性が広でられる」「自宅から通える」「キャンパスがきれいである」といった、いわば“鉄板”項目である。一方、スコア変動で数値の伸びを見ると、上昇率の高い項目=重視しつつある項目がある。伸び率が高かったのは「教育内容のレベルが高いこと」「学生の学力が高い」「教育方針・カリキュラムが魅力的」の順で、『教育の質や内容』に関するものである。続いて「入試方法が自分に合っている」「規模が大きい」の順となっている。定員厳格化が落ち着き、規模の大きい難関大学にも入りやすくなったこと、多様な入試制度の中から自分に合ったものを選べるようになってきたことが要因ではないだろうか。

 こうした高校生の重視項目の変化を理解するために、P28~29を参照いただきたい。これは、高校生が各大学に志望した理由として書いてもらった自由回答をテキストマイニングに掛け、キーワードを抽出したものである。これを見ると、自身を取り巻く環境の変化に、高校生が敏感に反応していることが分かる。2015年には“学部”“就職”“有利”という言葉が中心にあった。2019年は大学入学共通テストの導入が決まり、英語4技能や記述式の活用が話題になる一方、定員厳格化により大手私立大学の難化が進んだ年である。ここでは、“入試”という言葉が圧倒的に多く記されていた。2020年はコロナ禍での休校となる一方、定員厳格化が落ち着きを見せた年である。“学部”が復活し“学ぶ”という言葉が増えた。2022年になるとコロナ禍が定着した中“学ぶ”が中心になり、“通える”“通いやすい”という言葉が多く記されるようになっている。


重視項目の変遷(全体関東・東海・関西)



(文/小林 浩)



高校生が気になるキーワードをテキストマイニングしてみた!

コロナ禍で改めて「学ぶ」「学べる」への関心が高まっているのではないか

検証条件:関東、関西、東海の志願したい大学に対する理由の自由回答全てより抽出
テキストマイニング:ワードクラウド文章中で出現頻度が高い単語を複数選び出し、その頻度に応じた大きさで図示する手法
スコアが高い単語を複数選び出し、その値に応じた大きさで図示。色が品詞に対応。


テキストマイニング



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