データで見る 高校生の今[1]「やりたいこと×学びの中身」軸の進路選び


図 進学先検討時の重視項目の変遷


「やりたくない・合わない仕事はしたくない」意識も

 今回から始まる「データで見る高校生の今」は、リクルート進学総研が実施する各種調査から見えてきた高校生の姿を、データと共にご紹介するコーナーである。第1回は、今の高校生が進路選択において重視する価値観を取り上げる。

 進路選択に関しては、高校生の進路決定プロセス(行動・意識)の現状を把握する目的で行っている調査『進学センサス2022』から、高校生の進学先検討時の重視項目の変遷に着目したい。2022年に高校を卒業見込みの全国の大学進学予定の男女に向けて進学先検討時の重視項目を尋ねたところ、1位「学びたい学部・学科・コースがあること」(76.5%)、2位「自分の興味や可能性が広げられること」(38.6%)、3位「教育方針・カリキュラムが魅力的であること」(35.8%)という結果になった。1位と2位は過去調査でも上位3位以内にランクインしている、いわゆる“鉄板”の項目と言えるが、「教育方針・カリキュラムが魅力的であること」は16位(2016年)→12位(2019年)→3位(2022年)と順位が上昇している。進学先選びにおいて、今の高校生にとっては単にやりたいことができるか、だけでなく「やりたいこと×何を学ぶか」が年々重要な決め手となってきているようだ。

 加えて、仕事選びはどうだろうか。今回の掲載データのほか、高校生の進学や仕事・将来に対する意識・価値観を探る『高校生価値意識調査2022』によると、就職や仕事の内容に関して最も高い数値だった項目が「自分がやりたくない・自分に合わない仕事はしたくない」(83.7%)となっている。

 このことから、今の高校生はまず何よりも自分自身の“やりたいこと”とその質を重視していると同時に、やりたくないことへの抵抗も強い様子が分かってきた。

 次回は高校生の進路選択の背景として、保護者とのコミュニケーションに関する調査結果をご紹介する。



(文/岡田 恵理子)


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