東京赤坂キャンパス/国際医療福祉大学

大国際医療福祉大学 東京赤坂キャンパス



 国際医療福祉大学は1995 年に栃木県大田原市に開学した医療福祉の総合大学である。大田原のほか、福岡県福岡市と大川市、神奈川県小田原市、医学部のある千葉県成田市とキャンパスを展開し、医療福祉に関わる幅広い職種のプロフェッショナル人材を輩出してきた。そして2018年4月、東京・赤坂に6つ目のキャンパスを新設、ここに赤坂心理・医療福祉マネジメント学部を開設し、東京・青山にあった大学院も移転した。

 現代社会において需要が高まり続けているのが心のケア。国家資格として公認心理師も創設され、昨年9月には第1回目の試験が行われたばかりであるが、新学部の心理学科では、大学院進学への直結した授業も視野に置きながら、心のケアに中心的な役割を担うカウンセラー等を目指す人材を育成する。また、医療マネジメント学科は、医療・経営・情報を横断的に学び、超高齢化、テクノロジーが進化する医療福祉の分野において、病院や福祉施設等の経営面を支える人材の育成を目指すという。

 主に建物の5階・6階が学部、7階・8階が大学院の学びのフロアであるが、「学部と大学院の一体教育、連携教育が大きな特長です。学部の学生が大学院の一端を見学、経験することを積極的に推進する予定。いずれも知識だけでなく、実習型の教育に力点を置く方針」(広報部)。例えば、8階にある赤坂心理相談室は、一般の方の心のケアを行う施設でありながら、大学院の教育研究の場としての位置づけも有し、教員とその指導のもとで大学院生や研究員が一般の人に向けた心理相談を受け付けている。さらに学部生は、相談者の了承のうえ、その状況を6階にあるゼミ室のモニターで視聴する。そうした生きた学修経験を通じて、臨床の現場に強い心の専門家を育成するという同大学教育が実現できる施設となっている。

 また、この新キャンパスの立つ赤坂は、交通の便が良い東京の中心地であるが、もともとは港区立赤坂小学校があった場所で、同大学が「旧赤坂小学校跡地・周辺地区活用事業」において選出され誘致されたものである。そのため、地域と連携した開かれた大学としての側面も多々持っている。災害時の防災拠点としての地域の安全確保、一般の方にも利用できるクリニックや病児保育室の併設、近隣在住在勤の外国人に向けた国際交流センターでの医療情報の提供、医療福祉に関わる市民公開講座の開講等、地域への貢献・交流が積極的に行われている。「現在、一期棟の隣に建設中の二期棟を建設中。ブックストアやカフェコーナー、緑地も設け、近隣の人が活用できるようにしたい」(事務部)と今後の展望を話す。

 1階エントランスには雅やかな山車が展示されている。地元の祭りにはこの山車が巡行し、教員も学生も参加して盛り上がったそうだ。医療福祉の学術拠点としての大学は、都心の地域活性の拠点にもなっている。



国際医療福祉大学 新校舎の外観

新設の赤坂心理・医療福祉マネジメント学部と大学院を擁する地上11階・地下1階の建物。複数路線・複数の駅からアクセスできる。



国際医療福祉大学 エントランスと赤坂氷川山車

【写真右】地元と大学の地域交流の象徴ともいえる赤坂氷川山車。
【写真左】G階から1階へとつながるエントランス部分。大階段は木材が落ち着いた雰囲気を醸し出す。



国際医療福祉大学 講堂

1000人が収容可能な講堂。学内の式典や、シンポジウム、講演会等に使用されている。緞帳は赤坂氷川神社の大絵馬をベースにしたデザイン。



国際医療福祉大学 多目的ホール

多目的ホール。他のキャンパスの大学院の教室と繋ぎ、同時双方向の遠隔授業が出来るシステムがある。働きながらキャリアアップしたい医療人を支援する生涯学習としての「乃木坂スクール」も開講。



国際医療福祉大学 3階の特大講義室

3階の特大講義室



国際医療福祉大学 教室とゼミ室

5階と6階にはぞれぞれ70人規模の教室が4部屋とゼミ室が6部屋ある。



国際医療福祉大学 赤坂心理相談室

赤坂心理相談室の家族面接室。相談や検査の目的によって部屋の仕様は異なり、相談者の状況により照明の調節等も変更可能になっている。



国際医療福祉大学 赤坂心理相談室

【写真右】山王赤坂クリニック。学生は薬も含めて窓口での費用負担はない。
【写真左】港区で子育てする人が利用できる山王赤坂病児保育室。



国際医療福祉大学 レストランオーブとカフェテリア

【写真右】レストランオーブは、落ち着いた雰囲気。学会後の懇親会等に利用される。
【写真左】天井高もあり広々としたカフェテリアは約250席。



国際医療福祉大学 図書館と体育館

【写真右】体育館。大学祭やクラブ・サークル活動等で主に学生が利用している。
【写真左】医療関連の蔵書が充実する図書館。21時30分まで利用可能。



(文/金剛寺 千鶴子)


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